きものは集めるもの?
戦前・戦中にきもののほとんどをなくされた著者。
その後作家となり、勲章などの席のために仕立てられた
色留袖は圧巻です。
12ヶ月をそれぞれに刺繍もの、絞り、色無地など
「やわらかもの」を中心に紹介されている。
なので、普段からきものを着ていることはないらしい。
ここに一般人と作家の境界をみてしまうのだ。
頂き物も多いところからして違う気だする。
しかもほとんどが着ないきものばかりだ。
確かに参考にはなるけれど、集めるだとか頂きもの
だとか箪笥の肥やしにする気の無い私などには、
縁の無い世界だと痛感した。
写真も文も楽しめる一冊
着物の写真も美しく、またそれを着こなす宮尾さんのはにかんだ笑顔もキュートで素敵です。そして着物にまつわるいろいろな思いが、語りかけるように心に響いてくる、優しい文体も魅力的でした。 あえて趣味の悪い言い方をすれば「有名女流作家箪笥の中をそっとのぞく楽しみ」もある本と言えるかも… 着物初心者の私ですが、初心者のこの時期だからこそ、この本にめぐり合えて本当によかったと思っています。
きものがたり
小さなころから着物に慣れ親しんだ作者が、いったん戦争で失った着物。それから集めだした着物の紹介。一月ごとに作者の好きな着物のコーディネートがいくつか紹介してあるのだけれど、着物にまつわる話が面白い。昔の人がいかに着物を大事にしていたかと言う事が良く分かる本だった。色々な記念の折に作った着物は大切にされてとても綺麗だった。たいした着物は手元に持っていないと作者の方はおっしゃっていたけれど、今はないような図柄の着物などが紹介されていて、コーディネートや昔の柄を見るだけでも楽しくなるような本です。
本当に着物がふんだんに出てきて、またその着物が素敵で面白いのですよ。
とても美しい宮尾さんの着物のコレクションを、写真で見ることができ、そのコレクションの素晴らしさに息をのみますね。宮尾さんの作品を映画化したものは、大抵、明治や大正の頃のものが多いので、きものがとっても美しいのです。着物の美しい映画でも、「鬼流院花子の生涯」や「蔵」などあります。 女流作家の方々は、やはり、様々な賞の晴れやかな席に出席することもあるでしょうし、着物を多く着る機会が多くあるのでしょう。また、着物がみなさんよくお似合いですよね。宇野千代さんを筆頭に、幸田文さん、宮尾登美子さん、中野翠さん、林真理子さん、染色家であり、作家でもある志村ふくみさん、白州まさ子さんなどなど、こうしてみると、そうそうたるメンバーですね。着物を着た女流作家の方々は堂々として、立派です。文学と着物もなぜか、とてもピッタリくるものなのですね。 宮尾さんは土佐の大姉御ともいえそうな、文章を読んでいても大変迫力のある一本気な方なのですが、その宮尾さんのまるで少女のような美しいものへの感覚がとても好感がもてます。日本映画を観ようとしたときに、まず、泉鏡花と、宮尾登美子さんの映画を選びます。本当に着物がふんだんに出てきて、またその着物が素敵で面白いのですよ。
西のきものの艶やかさ。
着物の似合う女流文人というと、幸田文、宇野千代、宮尾登美子が3本柱だろうか。 幸田文は東の着物、宇野千代は無勝手流、宮尾登美子は西のきもの、とそれぞれ別のジャンルを代表しているのが興味深い。 東では着物をぞろぞろ着るのははやらない。誰にもわかるようにしなを作るなんてのは、下の下。日頃は女々しい様子なぞ見せず、大切なひとにだけ見せるのが良いのだ。 着物の柄もしゃんとした、どこか風を切る感があるものが好まれる。 西のきものは、やわらかい。 年はとっても女は女、というか、女性であることをアピールすることが当り前の風土で育った衣装、と見える。 大樹によりそい、まきつき、大樹よりも日にあたり、見事な花を咲かせる藤の花のようだ。 宮尾登美子さんは、土佐の花町近くの生まれ、芸妓の卵何人もと起き伏しを一緒にしていたそうだ。 柳葉色に白いけしの花、紺色に白い冬牡丹など、めりはりがあり、写実的な草花をモチーフにしたきものが多い。またそれらの色や布をあらわす言葉の豊富なこと! きものだけの写真が多いが、帯や草履など小物を組み合わせて見せてくださると、もっと参考になるだろう。
文藝春秋
幸田文の箪笥の引き出し (新潮文庫) 着物の悦び―きもの七転び八起き (新潮文庫) きもの365日 (集英社文庫) きもの (新潮文庫) 初めて買うきもの (知恵の森文庫)
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