日本への遺書―生き残り特攻隊員が綴る慟哭の書



日本への遺書―生き残り特攻隊員が綴る慟哭の書

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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これでいいのか?日本人

著者は支那事変勃発の前年から大東亜戦争終戦までの10年間(著者20〜29歳)、陸軍戦闘機隊の操縦者として歴戦を重ね、幾度も九死に一生を得て奇跡的に生き残った方である。10年間の歴戦を重ねたが故に大東亜戦争の中盤から操縦者不足に見舞われた我が軍の実情から操縦者を育てる立場であらねばならなかった。その結果、数多の自ら指導し育てた若き飛行士達を戦争末期の特攻作戦で送り出すこととなる。沖縄が米軍に落ちて本土決戦がささやかれ、著者も特攻隊員としての覚悟で命令を待つが終戦を迎えるに至った。
本書のような元兵士の方が綴った本を読むといつも思うことだが、実に明朗に当時の状況を読者の脳裏に甦らせてくれる。その臨場感溢れる描写には涙を誘わずにはおかない。数多の特攻隊員を見送った著者が最後の別れに聞かされる言葉は「後を頼みます」である。それは著者だけへの言葉ではなく現代を生きる我々すべての日本人への遺言である。それを忘れ去っているかのような今の我が国国情は何と薄情なことなのだろう。さらには特攻隊や決死で出征された兵士達へ向けられる言葉に、「可愛そうだ」だの「軍国主義に騙された被害者」だの的外れな同情の念を表す不届き者が多く存在する。それらの言葉が的を外しているばかりでなく、究極の冒?であることにも気づかない。あの時代、純粋に国を愛し、素直な気持で国に殉じ、生き残る全ての日本人に対して国家再建を託して散っていった若者達の望みを裏切って、180度異なる「金儲け一番」「他人の事より自分」といった情けない価値観で覆い尽くされている今の時代。天国から現在の日本を見る英霊は「情けない」と落胆すると同時に現代の薄情な日本人を哀れんでいるに違いない。
蛇足ながら本書の終戦時の描写に「無条件降伏」という語が出てくるが、ポツダム宣言の受諾は日本国の無条件降伏ではなく日本国軍の「無条件武装解除」のことである。
特攻の心境

下は17歳、上は25歳の航空兵が戦況の悪化のために特攻出撃を迫られた。しかし彼らは志願し、出撃前夜深い熟睡の後ににこりと笑いながら帰還なき出撃へと旅立った。

彼らを哀れむのは冒涜である。むしろ、彼らが残した遺志を汲み取り現代の平和を考えるべきと訴える一冊。

著者は陸軍航空隊での操縦暦十年、特攻隊員を訓練し、自らも昭和20年8月14日に命令を受ける。翌日終戦で出撃とりやめになるが、出撃前夜教え子たちと一緒の心境になったことが幸せだったという。



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